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先進国の農業補助金廃止を=途上国の貧困助長と国連警告

2005年11月9日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十月七日】国連人材育成機関は六日、二〇〇五年人材白書を発表した。日本や欧米の先進国は途上国の貧困削減のため農産物の円滑な国際貿易を促進し、農業補助金制度を廃止するよう白書は呼びかけている。
 同白書は先進国が年間一〇億ドルを農業補助金に費やして、途上国の農業生産者を窮地に追い込んでいるとした。先進国のゆがんだ農業政策は、世界の飢餓線上であえぐ貧窮者を増やし、同時に所得格差拡大に拍車を掛けているという。
 先進国の農業補助金は、途上国の農産物が輸出できないレベルの低価格に国際相場を抑え、市場を操作している。こうした市場に途上国の農産物が入る余地はない。例えばブラジルのアグリビジネスを四社が独占し、一千万人の農業生産者が最低生活に甘んじているように、国際農産物市場も同様に少数寡占主義である。
 砂糖の場合、EUは補助金制度によりブラジルの輸出価格の三分の一で売り出している。そのため貧しい砂糖生産国は輸出の仕様がない。先進国の農業補助金は一部の農業生産者が独占している。
 EUの場合、補助金の四分の三を一〇%の農業生産者が独占。米国では五%の農業生産者が五〇%の農業補助金を独占している。彼らは農業生産者の仮面をつけているが、途上国の貧しい農業生産者を踏みにじるビジネスマンである。