2005年11月9日(水)
ブラジル日本移民百周年記念祭典協会は定例理事会を五日午前九時から、同協会会議室で開いた。十七人の副理事長団体代表者を含む約四十の日系団体が参加。ノロエステやエスピリト・サント州ヴィトリアなど遠方からの関係者も出席した。会議では事業案などの検討、式典が予定されているサンボドロモの契約内容を今月末に発表することを確認。ブラジル日本商工会議所が工業展などの実現に積極的な姿勢を見せた。なお、定款改正などの必要性についても指摘され、具体的な話し合いが行われた。
上原理事長はあいさつで「大事なのは参加団体が一緒にやることです」と関係諸団体の連携を強調した。
今年二月に決定したロゴマークに関して、記念行事や広報などに広く利用されることが確認されたが、「登録の必要性」の声が多く上がった。これに対し、田中洋典予算企画担当次席理事が「登録には時間がかかる」ことを理由に著作権(direto austral)を既に取得したことを報告した。
会計報告では、九月までの収支累計が五万一千二百二十一レアル、「スダメリス百周年キャップ」の援助金が三千二百五十五レアルあることが確認された。
現在、百周年事業に多くの企画が出されているが、田中次席理事は「相撲興行など実現が難しいものもある」と指摘、それぞれの企画を練り直す必要性を挙げたうえで、野球の早慶戦は日本側で了承を得たことを発表した。
柳沼啓太郎総務委員長は「州議会の要望もあり、世界的に有名な指揮者である小澤征爾さんを招聘することを検討している」と明かし、「今月の州議会関係者会議で話し合う予定」と話した。
大浦文雄総務副委員長は新しい事業として『海外日系人文芸祭』を提案、「ぜひ実現させたい」と力を込めた。
日本語センター代表の谷広海氏は百周年式典がサンボドロモで挙行されることについて、「どういう形の式典にするのか」「いつ契約し発表するのか」の二点について説明を求めた。
田中次席理事は式典後にショーを行うとし、開会は午後六時で最後の笠戸丸移民であるロンドリーナ在住の中川トミさんと六世の赤ちゃんの様子を会場でテレビ中継するなどの具体案を示しながらも、「詳細な式次第については現在検討中」と述べるに留まった。
二点目について、柳沼委員長は「先月二十九日の評議員会でも答えたはずですが」と前置きし、アニェンビー会場内でエキスポの開催なども考慮しているため、「県連と商議所の協力が重要」と話し、「今月末には発表できるだろう」とした。
これに対し、商議所代表の遠山景孝氏は「九五年の日伯友好周年で行ったような日本企業の技術を紹介する工業展企画を商議所内で話し合う」との姿勢を見せた。
大浦副総務委員長は協会内にある『足あと委員会』の活動について、戦前移民の名簿をローマ字化するなど「移民の歴史を内側から記録するなど若い人たちが取り組んでいる」と報告した。
続いて、会議に出席していた日伯21世紀協議会の横田パウロ代表に百周年事業への積極的参加を促したが、横田代表は「日伯両サイドが(百周年に対し)乗り気ではない。文化的、人的交流を最重要と考えているようだ」と説明した。
谷代表は「百周年が二年半後に迫った今、日本からの資金援助は難しい」としたうえで、会員獲得が資金面での課題と位置付けた。
これを踏まえ、「昨年七月末日までの会員しか投票権がないことなどが会員獲得の弊害になっている」と指摘。なお、協会の選挙が来年に迫っているが、選挙関連の取り決めがないため、定款改正の必要性も示した。
次回の定例理事会は来年一月十四日に行われることを確認。最後に柳沼総務委員長が宮阪国人基金から二万レアルの寄付があったことを報告、閉会した。