2005年11月10日(木)
国外就労者情報援護センター(シアテ=CIATE、二宮正人理事長)は十九日、サンパウロ市リベルダーデ区ガルボン・ブエノ街425番のニッケイ・パラセホテルで地域コラボラドーレスを集めたセミナーを実施する。日本語教師、社会福祉学博士、在サンパウロ領事、経済博士などが講演。様々な角度からデカセギ問題を掘り下げる。
セミナーは二部構成で、第一部には一般客の参加も可能だ。第二部(招待客向け、午後七時~午後十時)では、藤井伸章厚生労働省職業安定局外国人雇用対策課長が「日系人就労者を取り巻く状況等について」、堀坂浩太郎上智大学外国語学部教授が「日系─架け橋を越えて」をテーマに講演するほか、塚田千裕海外日系人協会理事長(元大使)も出席する。
シアテは二〇〇二年度から、地方文協の推薦をもとに地域コラボラドーレスの設置を始めた。設置先は現在、プレジデンテ・プルデンテ、ロンドリーナ、ベロ・オリゾンテ、リオデジャネイロなどサンパウロ州内外の計十三都市。将来は十五都市まで広げる予定だ。
(1)デカセギを希望する地方在住者向けの支援(2)広報活動強化──などが主な目的。デカセギ経験者がコラボラドールに選ばれ、ボランティアで働いている。本人に手が終えない相談事項が入った時には、シアテに回される。コラボラドールはいわば、「支所」のような存在だ。
シアテやデカセギ問題について理解を深めてもらおうと、毎年セミナーが企画されている。名称を「シアテ地域コラボラドーレスセミナー」に変えて、今年で二回目。実質的には四回目になる。昨年は一般客を含めて、百九人が出席。デカセギ問題に対するコロニアの関心の高さを示した。
田尻慶一専務理事は「コラボラドールが地域にいるということだけで、シアテにプラスになっている。特に巡回セミナーを実施する時には、大きな力になってもらっています」と話している。
第一部(一般向け、午前九時~午後五時)の講演者と講演内容は次の通り。アレシャンドレ・デ・モラエス日文連教師(日本における就労と生活─日伯の社会文化的差異および日本語の重要性)、中川郷子PUC─SP社会福祉学博士(在日ブラジル人青少年に関する諸問題 愛知県・静岡県の事例に基づいて)、アレクサンドロ・デ・ソウザ・セブラエ・サンパウロ支部コンサルタント(セブラエおよび米州開発銀行計画─デカセギ起業家─)、林栄二在サンパウロ領事(日系ブラジル人に係る査証発給状況・入国在留状況)、ロベルド・デ・カミロ元ブラジル銀行東京支店長(就労者の送金に関わるアドバイス)、シレーネ・ヨシダ・マリンガ市地域コラボラドール(マリンガ市における巡回CIATE)。
問い合わせ電話番号=11・3207・9014。