2005年11月11日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】国内の自動車(軽自動車、トラック、バスを含む)の今年一月から十月までの生産台数は二〇三万五〇〇〇台で、過去最高の昨年同期を一一・八%上回り、最高記録を更新した。これは輸出の順調な推移の後押しを受けたもので、今年十カ月間の輸出累計は九三億ドルを上回り、昨年同期の三五・九%増となったばかりか、昨年一年間の実績の八三億八二〇〇万ドルをすでに追い越した。
しかし自動車メーカーによると、全体的にかげりを見せ始めているとのこと。十月の生産は一九万一〇〇〇台で、九月比で七・九%の減少、国内販売は四・六%、輸出に至っても七・二%減となった。
その原因として今年の経済成長は昨年と比べ減速したこと、農産物の不振によるトラックや小型運搬車、農業機械の需要減少、さらにドル安による輸出意欲の衰退などを挙げている。とくに農家の減収は当分続くと見られ、トラックはもとより乗用車販売にマイナス減少を起こすとみられている。
ドル安傾向も一行に改善されず、開発銀行は輸出奨励融資としてフォルクスワーゲン、フォード、GM、フィアットに計八億五三〇〇万ドルを認可したが、ドル安のインパクトによるコスト高を解消しきれず、苦しい展開をみせている。