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2日で19億R$の予算交付=大統領が鶴の一声=野党取り込みに奥の手使う

2005年11月12日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】政府は十日、暫定令二六六号を発令し、六億七三六二万レアルの財政支出を各省に行うことを決定した。このうち四億七四二四万レアルは今年度の予算に計上されながらも交付が遅れていたものだが、残りの一億九九三八万レアルは緊急追加予算枠内で認められた。政府は九日にも予算の交付を決定しており、今回と合わせると二日間で一九億レアルに上る交付で国庫の金庫を開け放したことになる。
 予算の交付はルーラ大統領の決断によるもので、関係者によれば、これまで予算交付の手網を締めていたものを、一連の国会スキャンダルでの野党の動きを鈍らせるために使った奥の手だと見ている、つまり予算という釣り餌で野党という名の魚を釣り上げるのが狙いだった。
 現に郵便局疑惑を捜査している議会調査委員会(CPI)を来年四月まで継続させることに賛成署名した議員は二百十四人だったが、この二日間で六十四人が署名を取り下げて残りは百五十人となった。継続には下院百七十一議員と上院二十七議員の賛成が不可欠なことから、継続は政府の画策通り否決に追い込まれることになる。
 これまでの予算交付は緊急案件に対する短期的投資に限定されてきたが、今回は各省の投資パイロット計画に沿った長期的なものも含まれた。その大半は運輸、都市整備、地方行政に向けられる。目ぼしいものでは、フォルタレーザ市(一億四〇〇〇万レアル)とサルバド―ル市(一億レアル)の地下鉄工事、トカンチンス州の南北鉄道(一億四〇〇〇万レアル)のほか、新規案件としてサンパウロ市のエクスプレス・バスいわゆるフラ・フィラが含まれた。これはピッタ元市長が選挙公約として鳴り物入りで提唱したにもかかわらず実行に至らなかったものを、セーラ現市長が着工を表明したことで政府補助の追加予算が認められた。
 このほか、輸出奨励での商品流通サービス税(ICMS)などの諸税免除に対する国の補てん用として九〇〇万レアルが認められた。徴収した税金の地方自治体への還元についてサンパウロ州アウキミン知事を旗頭に抗議や接衡が続けられてきたが、政府はこれについても大きく譲歩する姿勢を見せている。