2005年11月15日(火)
高級マンションを狙った集団強盗が、犯罪者の新しい稼ぎ場になっている。サンパウロ市南部モエーマ区ガイボッタ通りのオイジックス・ビルにあるマンション五軒で十三日早朝、十五人の強盗が八時間にわたって現金や貴金属を奪い逃走した。被害者の家族は日曜日の外出時、全員ビルの収納倉庫へ閉じ込められた。犯人らは危害を加えないから静かにするよう命じ、悠々と犯行に及んだ。犯人らは午前四時からジャッキーで後部扉をこじ開け、住人の起床を待っていたという。
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鉄道脇で危険と背中合わせで暮らす世帯が全国で二十万戸あると、鉄道協会が発表。荷物を満載した貨車は、沿線住宅の軒先や塀と接触しながら走る。沿線には母子家庭のバラック住宅が多く、後続部隊が次々やって来て新築する。リオ市のアララ貧民窟の中は、貨物列車が往復列車を合わせて三分半毎に通過する。パウリスタ都電公社沿線のカンポス・エリゼウ貧民窟のバラック小屋は二階建てで、列車の振動から貨車に引っ掛かり寝室もろとも、いつ引きずられるか分からない。
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社会統合省は十二日、保全不備のため堤防決壊の危険があるダムは全国で二十か所あると発表した。ダム保全は前政権では建設省土木課の管轄であったが、現政権から社会統合省へ引き継がれた。それまで二十年間、ダム保全は放置された。有名なダムは保全管理が万全だが、問題は小型ダム。また地方自治体や個人が技術責任者の許可もなく造成し、監督管理もないダムは無数にある。堤防決壊により川下の都市を押し流しかねない。
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これまでコンドミニアムや高級マンション建設で上流階級のゲットー化が著しかったが、金持ち区と貧乏人区を隔離する都市計画を阻止しようと、サンパウロ大学の都市計画学科が十年計画で新企画に挑戦する。特に首都ブラジリアが貧富二分したことで、官民合同の活性化スペースにコンベニエンス・ストアや多目的施設を造り、全員が参加する新都市の核にするという。チームは日本など先進国の都市計画を見学し、見聞を広めた。