ホーム | 日系社会ニュース | YKK新工場が竣工=日本から吉田社長迎えて=ソロカバ

YKK新工場が竣工=日本から吉田社長迎えて=ソロカバ

2005年11月15日(火)

 YKK・ド・ブラジル(石川清治社長)が同社のソロカバ工場内に建設を進めてきた新スライダー(ジッパーの開閉器具)工場がこのほど完成し、十一日に関係者による竣工式が開かれた。日本からYKKの吉田忠裕社長が来伯したほか、西林万寿夫聖総領事、ビトール・リッピ・ソロカバ市長、同社の関係者など約百人が出席。新工場の完成を祝った。
 世界七十カ国に展開し、ジッパー生産量の四分の一を占めるYKK。ブラジル国内のグループでも、ファスナー関係の売上は全体の八割以上を占めている。同社は今年三月に、二〇〇八年までに三千万ドルを投資する計画を発表。その一環として新たなスライダー工場建設を進めてきた。
 新工場の敷地は約一万㎡。同工場の主力製品であるスライダー生産ラインを増強し、色や形のバリエーションを拡大。現在の年間生産量三億本を〇八年までに五億本に増やすとしている。色の種類についても、現在の約六百色から一千色、将来的には五千色まで増やす予定だ。
 竣工式では、カトリック司祭が祈りの言葉を捧げた後、記念プレートの除幕、関係者によるテープカットを行なった。
 工場内に移り記念式典。リッピ市長、西林総領事の祝辞に続き、吉田社長があいさつを述べた。
 竣工式にあわせて来伯した吉田社長は、三十年の間様々な問題を克服して今日の成長を築いたブラジルYKKの歩みについて「ブラジル人社員の有能さと地域の皆さんの協力、そして移民が作り上げた信頼があってできあがった」と語った。
 さらに〇八年までにブラジル、アルゼンチン、チリでのファスニング製品販売を四九%増加し、ソロカバ工場に三千万ドルの設備投資を行なう中期事業計画を発表。今回の新工場竣工により、日米欧各国で要求される高品質な製品の提供を目指すとの考えを語った。
 吉田社長は中国、インドなどアジア各国戦略の重要性を強調する一方で、ブラジルにも期待を表わし、「将来に向け、ブラジルのファスニング事業はまだまだ拡大していくと確信しています」と述べた。
 この日は吉田社長夫人からリッピ市長夫人に車椅子五台を寄贈。石川社長の発声で一同乾杯した後、工場内を見学した。
 吉田社長は翌十二日にミナス州ボンフィノポリスのYKK農場開設二十周年式典に出席。同市の小学校にパソコン五台を寄贈した。