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米国の伯コロニアで騒動=不法滞在批判に殺気立つ地元

2005年11月18日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十七日】米国コネチカット州ダンバリー市に居住するブラジル人の間で、不法滞在者をめぐって騒動が巻き起こっている。
 鉱業が中心産業の同市は市民の五人に一人がブラジル人だが、単純労働など雇用が得やすいため、米国では不法滞在者が集まる十大都市の一つとなっている。地元の伯・英字隔週誌「トリブーナ」の編集長エマヌエラ・リーマ氏(22)は二週間前、テレビ局ABCの番組のインタビューで、不法滞在者が社会保険証やグリーンカード(米国市民権)を道端で簡単に手に入れ、それがブラジル人であることが嘆かわしいと発言した。
 番組放映後、同氏は脅迫電話やEメールを受け取るようになった。また他の地元伯字週刊誌二誌も「裏切り」や「コミュニティの暴動」を見出しに大きく報道した。伯料理レストランで男三人と女一人が「エマヌエラを殺せ」と話していたと述べる証言者も登場。自宅も投石されたり、脅迫メッセージが届いているという。
 現在、身の安全確保のため警官が同氏と家族に同伴している。脅迫は今回だけではなく、今年三月にも「トリブーナ」誌の社長である同氏の母親がプレートをはずしたピックアップ車にはねられ、病院に運ばれている。
 「米国に滞在する以上は法律に従うべき」と主張する同氏だが、伯字ライバル誌の記者は、不法滞在者だった同氏の母親が三年前に市民権を取得した後、なぜ不法滞在者を告発する側に回ったのかと母娘の態度を批判している。