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コラム 樹海

 サンパウロほどの大都会に住めば、人々はその気がないと「野」や「土 」に親しむ機会がなくなる。その機会を増やしてあげようと、考えられたのがレジャー産業分野の「農村観光」「農村パーク」である。日系社会でも、純娯楽の提供、村起こし、など目指すところは違うが、既にいくつか例がある▼この産業を成功させるポイントの一つは、できるだけ銀行借金などせず、お金をかけないことだという。現在あるもの(自然や設備)を人集めに使う。見せて、遊ばせ(お金を払ってもらって)農産加工を体験させる、特に食べものの土産ものはしっかり売り付ける―というふうにもって行く。お金をかけないといっても、口コミで客が集まるまでは、宣伝費を惜しんではならない▼言うは易し、実際は難しであることは、商売をしている人なら先刻承知である。そんな所に行かなくても、シチオに行ってシュラスコでもやれば済むこと、といった声も聞こえそうだ▼そこで、アイデアをしぼって並みのシチオにない魅力をつくらなければならない。こうしたパークなり観光地は、一度訪れた人に二度、三度足を運ばせるようでないと、さびれてしまうそうだ▼この週末「すし祭り」を催し、存在を宣伝するイタペチの「花の杜」は、花をつける樹木を見せ、花卉を販売するねらいのようである。ほかに釣り堀、マレットゴルフなど軽いスポーツを売り物にしているところもある。まだまだこれからの産業であることは間違いない。(神)

05/11/18