2005年11月23日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】ルーラ大統領はブラジリアのプラナルト宮で二十一日に行われた閣僚会議の席上で、年内の国家財政支出を増やすよう指示した。つまりこれまで占めてきた手網緩めて国の金蔵を開け放し支出に拍車をかけるというもの。
これについて大統領は九月までのプライマリー黒字(公共債務の金利充当分を差引く前の時点での粗黒字)が国内総生産(GDP)対比六・一%に膨れ上がったことで、政府目標の年内四・二五%に可能な限り近づけるため支出を許容すると説明している。
この政府目標はパロッシ財務相の基本政策方針で、大統領は「財務相の政策はあり得ない」とした上で、全ての基本政策は大統領の承認のもとで政府が打ち上げたものだと強調し、パロッシ財務相の独断とする一部の非難を退けた。いっぽうで支出の増大は来年の大統領選挙を視野に入れた人気取りの一環だとする声に対しては強く否定し、あくまでも基本線路の踏襲であることを強調した。
さらに支出の枠決めは財務相とベルナルド予算管理相、ロウセフ官房長官の三者で協議し、インフラ整備などの公共投資を優先するとともに、正当かつ節度のある〃良質〃の分野に絞ることを要望した。また、要望の声が高まっている公務員給与の引き上げは今回含まないことを明言した。さらにこの三者会談で、これまで確執となっていた財務相と官房長官の仲直りを狙っている。
プライマリー黒字の財源は金融中心機関(国家、INSS、中銀)が二・四%、連邦公社が〇・七五%、州や市の地方自治体および公社が一・一%と振り分けられている。八月までにこれらの目標が大幅に上回り、連邦では一〇四億レアル地方行政で六〇億レアルの〃金利黒字〃が計上された。これに対し大統領は、余分な脂肪分は健康に良くないとして、ダイエット効果でこれらを社会に還元して経済発展につなげるべきだとの認識を強調した。