2005年11月23日(水)
【ヴェージャ誌一九三〇号】外資導入は高カロリーのデザートや麻薬常用者に似ている――。経済学者のエドアルド・ジアネッテ氏は、デザートのツケは金利を払うときに来ると警告する。麻薬常用者は脳細胞を損ない、イザというとき役に立たない。ブラジルは、辛抱することができなければ未来を誤る。金利のメカニズムは私たちの日常生活や信仰信条、新陳代謝の中にもある。何でも節度を越えると高利貸しに食い物にされる。輝ける未来を欲するなら、現在を節制し将来へ備えること。現在のブラジルは近視症候群だと同氏は忠告した。
ブラジル人は未来の展望はあるが、忍耐力がないとする同氏との一問一答。
【金利が借金の歯止めにならないのは、なぜか】これは経済に関する自然の法則である。人間や植物などの生物は生き残るため、つねに再生する。人間は経済再生のため金利を考案し、借金は。
【生物界では貯蓄をどう例えられるか】食べ過ぎると、脂肪という貯蓄を貯める。動物は、運動で適度な脂肪分を保つ。この脂肪分は、緩慢な動作や手遅れという高いコストがかかる。だが全く無駄ではない。動物は凶作期の食糧不足を脂肪で補う。貯蓄という脂肪が危機に備えた準備金であれば健全だ。
【金利は、どうか】金利はコストと利益の関係だ。コストを上回る利益があれば、金利は適切で企業発展の功労者といえる。脂肪分を全部費やしても、飢えがしのげないなら隣から一片のパンを乞う。つまり、高利貸しから借金をする。人体は自分の筋肉を食い、企業は生き残りのため自滅的借金をする。人体は失った筋肉を復元できない。寒いから家具を燃やして、暖をとるようなもの。コップの水を飲んではいけない。コップからこぼれた水を飲むのが繁栄の秘訣。
【現実は選択肢がなく、社会のメカニズムに組み込まれているのではないか】人間の意志には選択肢がある。人生スタイルを選ぶ自由がある。思慮ある人間ならデザートを食べ、運動で脂肪を消耗し節度を保つことができる。債権者になるか債務者になるかは個人の自由。債務者は債権者に金利を払うため、他人の労も甘受しているのだ。
【未来よりも、現在を生きろという説がある】場合によりけりだ。現在が窮乏し未来に夢がなく切羽詰まっているなら、詩人オラシオのいうごとく現在を楽しく生きること。未来に希望を持てるチャンスがあるなら、現在を犠牲にして未来の栄光をつかむこと。
【同説は真理ではないのか】人生は各局面で精神状態が変化する。四歳の子供はお菓子の配給を待てない。十二歳になると、お菓子の量次第で長時間待つ。人生スタイルや社会生活、金融取引も同じ。
【誰もが犯す、誤った判断とジレンマの関係は】二つの見方がある。一つは目先の損得にこだわり、近視的で短期的な見方。もう一つはその反対で、空想に陥る危険がある。ブラジルは未来の大国を夢見て、単なる永遠の夢となりつつある。異常な優越感は短期的な盲目と同じ。日本人のように貯めるだけで浪費しない民族もあり、世界から奇異に見られるのも一例。
【ブラジル人の近視症候群とは】例は事欠かない。政治家らは教育の重要性に気付き、計画を実施する。ブリゾーラのCIEP、コーロルのCIAC、マルタのCEU。どれも線香花火で長続きしない。政治家は未来管理の能力がないのだ。社会保障院も同じ。環境管理も悲劇的だ。
【ブラジル人の近視的特徴は】ボッシュのドイツ人社長が言った。ブラジル人は自動車を購入したら、まずエンジンの音に関心を持つ。保険のことを考える人は少ないと。中流階級でも、金利で支払う金額より金利で受け取る金額に注意を注ぐ。前者は後者より、はるかに多いのだ。