ブラジル企業に5つのタイプ=求められる社員参加型経営
2005年11月23日(水)
【ヴェージャ誌一九三〇号】ハーバード大学のステフェン・カニッツ教授は二十五年間、ブラジルの大手一千社を分析したところ、五つのタイプの企業があることを発見したという。
タイプAは、社長だけが満足している。社員は全員、社長の命令でロボットのように働く。社長は会社の神様的存在で、会社の方針は即断即決で決まる。社長は業界の成功者として業界誌の表紙を飾り、会社の顔である。縁の下の力持ちなど表に出ることはないし、話題にもならない。
タイプBは同族会社で、親族だけが人間扱いされる。創業者の初代は九十五歳でまだ経営に口を出す。二代目らは親父早く死ねと適当にあしらう。初代も若かったころと様子が違うと感づいている。
初代は経営を専門家に委ねることなど全く考えていない。二代目らに任すなどトンデモナイことだ。初代は権力の座を維持するため、二代目らにヨットや高級車を与え、全く権限のない経営評議委員を据える。
タイプCは、後継者の養成をしないまま初代創業者が他界。カリブ海の酒池肉林で遊びこけていた子息らは急きょ帰国。ヨットと高級車のことしか知らない極道息子らは、会社経営の主導権で争う。結局バカ息子らは多国籍企業に会社を売り飛ばす。二代目ボンボンは労働者や組合員が左翼であることを知らない。有識者や経営の専門家が無知な経営者の一掃に苦心していることも知らない。
タイプDは、社長から社員全員が経営に参加する。会社は個人経営ではなく、全員の持ち株制度になっている。社員の多くは、定年退職した労働者や中流階級の人々、元医師や元技術者で恩給を投資している高齢者。老後を息子に依存しない考えを持ち、マルクス主義の理想社会を地で行く人々だ。社長は通常、経営の専門家が就任する。ここでは労働法が通用しない。
最後にタイプE。社長は経営審議会で実力本位をモットーに選出される。親族関係や政治関係は一切考慮しない。社長の権限は社員の協力が得られるかにかかるので、まとめ役のようなもの。公社にこのタイプが多い。
ブラジルにABCEタイプの企業は多いが、Dタイプは極端に少ない。しかしDタイプを目指して毎日、新しい会社が続々設立されている。民主的でよく管理され、多くの人を包み社会貢献に意欲を燃やし、参加者全員に生き甲斐を提供する会社が求められている。