財務相、辞任思い留まる=大統領の説得で=去就騒動にひとまず幕=財政黒字は目標引き上げ
2005年11月24日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】パロッシ財務相の翻意を促す最後の説得でルーラ大統領は二十二日、同相の辞任を思い留まらせたようだ。大統領は降院後、笑みを浮かべ「悪魔ども(国際金融資本)が財務相を手放さない」と記者団に応じた。大統領は財務相と、公共債務の金利支払いで財政黒字の国内総生産(GDP)比四・二五%を四・七%まで引き上げることで合意に至ったという。現行の六・一%よりは、引き締めを緩めることになる。財務相は下院税制委員会で二十二日、不変の経済政策実施が財務相の去就より重要であると強調した。
下院税制委員会に出席した財務相の発言で証券取引所は二十二日、株価指数とカントリーリスク、為替相場が激しく乱高下した。政財界と国際金融資本が財務相の去就を巡って固唾を飲んだ一週間は、ひとまず幕を下ろしたようだ。大統領のお呼びがあるまで、財務相は留任することで一件落着と見られている。
古典経済学を踏襲する現経済路線を酷評するロウセフ官房長官が、財政黒字を二〇〇四年レベルの四・二五%に設定する提案を行ったが、四・七%へ引き上げられた。ルーラ政権が就任以来最低の支持率としたCNT/センサスの調査結果に不機嫌になりながら、大統領は財務相へ電話を入れた。
大統領と財務相の間に重い空気が淀んだのは確かなようだ。輸出品への減税を公布する式典に欠席した財務相は二十一日、大統領から呼び出された。遅刻した財務相の到着に合わせ、大統領が財務相を持ち上げる挨拶をしたが、同相は無愛想にソッポを向いていた。
財務相が十六日、上院経済諮問委員会で、「経済政策の変更があれば政府を去る。ブラジル経済の発展が私の使命で、他のことに興味がない」と発言したことが、大統領の気に触ったようだ。
「ブラジル経済を政府の共同作品ではなく、財務相個人の芸術作品だと思っている。閣僚は大統領と共に同じ首かせにはめられているのだ」と大統領は、財務相発言に不快の意を表した。「政府が財務相の政策に追随したのではなく、政府を取り巻く複雑な機構の中で経済政策が存在するのだ」と述べた。
十六日夜の予算編成会議にも財務相は欠席した。官房長官主導の予算バラマキ会議に出席したくないと、財務相はむくれた。また予算編成で官房長官へ大統領のお墨付きが渡されることに財務相は抗議した。それで大統領は、〇六年の再出馬に向けた道備えで予算を充当しないとする言質を財務相に与えた。
一方、フルラン産業開発相は、財務相の辞任翻意を閣僚全員で歓迎すると述べた。しかし、握りっぱなしの手を少し広げて欲しいと物言いをつけた。経済政策は間違いではないが、目的は目標ではなく、目標突破だと同相は訂正した。
産業開発相とアルジェリアへ同行したロンデウ鉱動相は、台風一過で安心したが、財務省が暴走し省庁をはねないようお願いすると述べた。財政黒字は目標達成よりも、目標超過分の使い道に問題がある。下らないことに使わないで、債務削減やインフラ投資に向けて欲しいと鉱動相は述べた。