2005年11月24日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】セーラサンパウロ市長は二十二日、電力会社エレトロパウロに対し電柱税を課すことを決定し、十二月から実施することを発表した。この新税は九月に市議会で議決され、市長の裁可待ちとなっていた。
これを受けてエレトロパウロ側は電気料金を各家庭当たり〇・五〇レアル引き上げる意向を表明した。この値上げは電力庁の承認が必要で、同庁の判断が注目される。小額の料金引き上げとはいえ、間接的に新税のツケが消費者に回ってくることで、関係者から早くも非難の声が上がっている。
セーラ市長の決定は、すでに民営化されたエレトロパウロは私企業として市の所有地を使用しており、使用料を支払うのは本筋で、平米当り二二レアルを課税したもの。エレトロパウロの電柱は市内に七〇万本あり、一本につき〇・一六平米、税額は三レアルから四レアルとなる。市ではこれにより来年一月から二五〇万レアル相当の税収となる。
このためエレトロパウロ側は営業上のコストアップならいざ知らず、課税という不可抗力によるコストアップであり、料金値上げでカバーせざるを得ないとの見解を打ち出した。サンパウロ州には五百十五万世帯の消費者がおり、これで均等頭割すると、一世帯当り〇・五〇レアルで税金をカバーできるというもの。
しかし消費問題の専門弁護士は市と企業の間の問題を市民に転稼するのは違法だと指摘している。また関係者は、当初は小額だが、税金が引き上げられる毎に負担が増す可能性が強いとの懸念を示している。現にゴミ税に関し、セーラ市長は前政権が実施したのを攻撃材料にし、就任したら廃止すると公約しておきながら、廃止どころか実施を延長し不興を買っている。