2005年11月25日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】サントアンドレ市長殺害事件を調査しているビンゴCPI(議会調査委員会)で、同市でバス会社を経営するロザンジェラ・ガブリーリ氏が二十三日、同氏の妹マーラ・ガブリーリ氏が二〇〇三年三月二十三日に大統領の自宅を訪れ、本人と夫人を前に同市の不正資金調達組織の存在と対処を訴えていたことを証言した。
体に障害を抱え、サンパウロ市の身体障害者特別局長を務めるマーラ氏は、一九七七年に労働者党(PT)市政が始まって以来、バス会社経営者らがバス一台当たり毎月五五〇レアルの金をPT裏帳簿に貢ぐよう強いられていたことを姉から聞き、またそれを二人が検察庁に告発する決断を下したことに対する市の報復を恐れ、サンベルナルド・カンポ市にある大統領の自宅を車椅子で訪れた。そして大統領と面会し、同市で発生している不正を訴えた。
夫人と秘書官らの同席の下、驚く様子もなく冷静に訴えを聞いた大統領は、そんなことは聞いたことがない、内容を確認した上で対処すると約束した。帰り際には秘書官の一人が、自宅前に張り付いている記者らにはリハビリについて話したと同氏が言うよう頼んだという。その後、同氏には何の音沙汰も対処もなく、自宅前で同氏が騒ぐのを防ぐため面会し、それで気が治まると大統領は踏んだのではないかと同氏は推測している。