2005年11月25日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】鳥インフルエンザが現在世界中の脅威となり各国が防疫で大わらわとなっている中、エイズが依然として猛威を振るっていることが改めて認識された。
世界保健機関(WHO)が二十一日に発表したところによると、今年にエイズ感染患者は世界で四〇三〇万人に達した。二〇〇三年は三七二〇万人だった。新規感染者は五〇〇万人で死亡者は三〇〇万人となった。
ブラジルはラテンアメリカ圏内の三分の二に相当する六〇万人の患者がいるが、感染率は〇・五%で、目立ったコントロールをしてないものの全世界では低い率となっている。ラテンアメリカの比率が高いのは人口比率が高いことと、若者の間でエイズに関する知識が低いことが挙げられている。WHOによると、ブラジルの十五歳から二十四歳までの世代の三六%が、セックスの初体験が十五歳以下で三八%がエイズに感染するとは知らなかった。
ラテンアメリカ圏内では今年、かつてない程多い感染が驚きをもって迎えられた。今年の患者数は一八〇万人で、このうち今年感染した患者は二〇万人を超えた。二〇〇三年は一七万人だった。このうち今年だけで六万六〇〇〇人の死亡者が出た。
エイズ患者は全世界で一九九五年と比し倍増した。このうち六四%に相当する三〇〇万人はアフリカに集中しており、子供が五〇万人と、母子感染が目立っている。しかし全人口のわずか一〇%が検査しており、実数はさらに増えるものとみられている。感染が顕著なのがアジアと東ヨーロッパで、一九九五年の二十五倍となっている。若い女性の感染も広がり、アフリカでは女性患者の七五%が若い世代となっている。
しかし、明るい話題も報告されている。ケニア、ハイチ、ジンバブエなどでは患者数が減少している。ケニアでは九〇年代で一〇%の患者が二〇〇三年には七%へと減少した。カリブ諸国では今年に入り新規感染が報告されていない。
世界各大陸の今年の(一)患者登録数(二)今年に入っての感染者(三)死亡者数を上げると、北米大陸は(一)一二〇万人(二)四万三〇〇〇人(三)一万八〇〇〇人、西ヨーロッパは(一)七二万人(二)二万二〇〇〇人(三)一万二〇〇〇人、東ヨーロッパおよび中央アジアは(一)一六〇万人(二)二七万人(三)六万二〇〇〇人、東アジアは(一)八七万人(二)十四万人(三)四万一〇〇〇人、東南アジアは(一)七四〇万人(二)九九万人(三)四万八〇〇〇人、オセアニアは(一)七万四〇〇〇人、(二)八二〇〇人(三)三六〇〇人、アフリカ・サハラ地区は(一)二五八〇万人(二)三二〇万人(三)二四〇万人、北アフリカおよび中近東は(一)五一万人(二)六万七〇〇〇人(三)五万八〇〇〇人となっている。