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刑務所はすし詰め状態=定員8万で12万人オーバー=サンパウロ州

2005年11月25日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】犯罪と検挙の増加にともない、サンパウロ州内の刑務所のすし詰め状態の早急な改善が叫ばれている。アウキミンサンパウロ州知事がかねてから表明していた市内警察署の拘置所の廃止が今月から実施されたことで、刑務所の定員オーバーに拍車がかかった。
 警察署の拘置所は集団暴動、脱走、仲間の奪回襲撃が相次いだため閉鎖された。現行犯で検挙される犯罪者は毎月平均、州内で七〇〇〇人、サンパウロ市内で二〇〇〇人となっている。さらに裁判所が逮捕状を発行して逮捕されるのが七五〇人に上り、これまではこれらは拘置所に拘束されたが、現在は未決因刑務所なり刑務所に直送される。現行犯の検挙のみで七〇〇人収容の未決因刑務所が新しく三カ所必要となる勘定だ。
 現在州内百三十七カ所の刑務所収容定員に八万八八〇〇人に対し、十二万五五九人定員オーバーとなっている。ナガシ・フルカワ刑務所管理局長が就任した一九九九年十二月十七日の時点では六十二刑務所で収容者は五万三三六一人に過ぎなかった。
 また二〇〇〇年には、入所者が二万七五五〇人、出所者が二万二一三五人で差引き服役者は五一四五人だったが、四年後には服役者が一万二七三六人に膨れ上がった。今年一月から十一月十一日までに、入所が六万九二二八人、出所が五万六九四九人で、差引き一万二二七九人と昨年一年分とほぼ同数を記録した。
 この対策として州当局は、州内四市に定員三千人を超える未決因刑務所を年内に開所するとともに、来年末までに一万七〇〇〇人を収容できる新しい刑務所を開設する予定になっている。