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ポルチナーリの作品奪われる=評価額250万レアルの大作

2005年11月26日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十五日】ブラジルを代表する画家、カンジード・ポルチナーリ(一九〇三―六二)の作品「網で埋葬を用意して」が二十四日、サンパウロ市ジャルジン・ヨーロッパ区の画廊トマス・コーンから強奪された。画廊によると、縦一・五、横二メートルの巨大な作品の評価額は二五〇万レアルに上るという。
 二十四日午前十一時ごろ、招待状を届に来たと三人組の男が同画廊を訪れ、建物内に入ると銃を取り出して四人の従業員を脅し、二人が同作品を持ち出した。強盗らはワゴン車に作品を積み込もうとしたが入らなかったため、額を取り外して持ち去った。
 同画廊は今年九月にも強盗に襲われた。その時はわずかな現金を盗まれただけで済んだが、犯人は今回の強盗の一人だったと従業員が証言しており、下見を兼ねた犯行だったとみられる。被害に遭った後、同画廊は鉄製の扉を設置したが、警備員などは配置していなかった。
 同作品はウルグアイ人コレクターが所有、同画廊が保管し、国際市場で売りに出されていた。画廊のオーナーは盗んだ有名作品を市場で売るのは困難とみて、保険をかけていなかった。外国では盗難作品の返還を条件に犯人らが保険会社に交渉を持ちかけてくるケースが多く、保険に未加入の今回の事件では、犯人らが金目当てに画廊をゆする可能性もある。
 警察は作品がまだサンパウロ市内にあるとみて、全力で捜査している。ポルチナーリの作品は国際市場で評価が高く、一九八九年五月にはリオデジャネイロ市の美術館から評価額総計四〇〇〇万ドルに上る九つの作品が盗まれている。