醜悪な光景だった。
先週末カンポス・ド・ジョルドン市を訪ねた。ドイツ風の木組みの家々に、クリスマスの飾りつけ。そんな童話的な世界の中で目にした看板「マルフのパステル屋」。
マルフ。そう、醜聞が絶えない元市長の名前だ。九月に金融法違反の疑いで約四十日間拘留されたばかり。その憂さ晴らしか、釈放された後、同市のバールでパステル、ビールを手に友人らと歓談する写真が、多数メディアに掲載されたのは記憶に新しいところ。
これをきっかけとして、そのバールはくだんの名に。二十五日付本紙グルメクラブ欄に半ば冗談で、元市長が立ち寄ったバールのパステルを食べに訪れる観光客も多いだろう、と書いたが、現実は想像よりも奇なり。
店頭には、引き伸ばされた同氏の写真が。ブラジルの民度なんて所詮は……。ちょっと厭世的な気分になった。 (大)
05/11/29