ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

財政黒字はGDPの4.25%=経済政策論争に幕=財務相が官房長官に譲歩=選挙の下地作り始まる

2005年11月30日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙ニ十九日】パロッシ財務相とロウセフ官房長官は二十八日、二十日間にわたる政策論争の幕を閉じ、財政黒字を国内総生産(GDP)の四・二五%とすることで合意した。財務相の思惑は財政黒字の拡大であったが、ルーラ大統領も四・二五%を希望したことで譲歩した。中央銀行の発表によれば、十月の財政黒字は八五億五〇〇〇万レアル、二〇〇五年一―十月の累計で九五〇億五〇〇〇万レアル、GDP比五・九七%となった。財務内容は残る十一月と十二月で、財政黒字を四・二五%に引き下げるのは困難な数字となっている。大統領府は一月と二月に公共事業に投資を行い、選挙の下地作りとする考えだ。
 財務相と官房長官は、内輪もめで世間に恥をさらすことなく無事に矛を納めたらしい。財務相は二十七日、隣合わせの官房長官公邸を訪れ、個人的には全く反意のないことを告げた。官房長官による財政政策の批判声明直後、パロッシ票が急落したことで、手段が時期的には正攻法でないと財務相は苦言を呈した。
 官房長官は、財務相を崖の淵に追い詰める気持ちがなかったと弁解した。財務相の財政政策は数字のマジックだと反論し、インフラ整備と社会福祉を犠牲にした財政黒字を糾弾した。閣僚の間は、雨降って地が固まったようだ。両相間の不可侵条約も決まった。
 大統領が〇六年度財政黒字を四・二五%と公言したことで、財務相は承服せざるを得なくなった。しかし、〇五年度公共債務の金利額は、すでにこのラインを超過している。
 国庫庁の金庫番は金利の支払金確保のため、出金を極力抑えている。金利総額はGDPの五%に相当する。大統領は次期大統領選への出馬で、これまでの爪に火を灯す緊縮財政の繰り返しを恐れている。
 ワグネル憲政相は、財務相と官房長官の確執がルーラ再選に向けた準備期に重なったことで固唾を飲んだが、一巻の終わりとなったことで安堵した。財政黒字は次期政権のテーマとして新たに論じるべきだという。今はルーラ再選が主要課題で財政黒字ではないとみている。
 大統領は両相の顔色を伺いながら二十八日、政治日程会議を開いた。一日には官房長官草案の予算編成会議が開かれる。選挙年に相応しく早期に結果が見え、宣伝効果のある公共事業と一月及び二月の予算即時交付が発表される。
 財務相は当初、予算編成会議(JEO)への官房室介入をけん制したが退けられた。予算交付に関する財務相の判断特権もはく奪された。両相は互角とされたが、両省の腕相撲は各省庁への予算の分配で一戦を交えることになりそうだ。
 財務相を中心とするスタッフの努力で蓄積した財政黒字は、ロウセフ官房長官へ献上することになりそうだ。十月までの財政黒字は累計で九五〇億五〇〇〇万レアル、過去十二カ月間で九八一億九〇〇〇万レアルである。一方、公債の金利は通貨政策委員会(COPOM)が採った高金利政策のため、一三三四億九〇〇〇万レアルにもなった。それで政府は金利支払い資金を「氷から絞り出す」と官房長官に皮肉られた。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button