2005年11月30日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】アマゾン地方の牧畜に対する公共投資が一九八九年から二〇〇二年までの間に五八億ドルに達する一方で、森林再生計画に投入される資金は一万ドルに満たないことが、NGO(非政府団体)の調査で明らかとなった。
調査を行ったのはアマゾニア人間環境協会(Imazon)で、二十八日に発表された報告書によると、アマゾン地方の森林破壊は開発の波が押し寄せた結果で、特に牧畜が主な理由になっているという。同地方で飼育される牛の頭数は、九〇年から〇三年の間に二六六〇万頭から六四〇〇万頭へと二・四倍に増加し、人口の三倍に達している。
中央の土地と呼ばれるパラー州の地方は、森林伐採と土地の不法占拠が最も多く、かつ牧畜が急増しているところでもある。昨年最も伐採面積が広かったサン・フェリクス市とシングー市では、過去数年間に牛の数が急増し十三万頭に上った。後に大規模牧畜業者に土地を高く売るために、地元住民は森林を切り開き、牛を飼育するという。
ブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)のアブレウ理事は、無秩序に拡大する森林伐採と開発を規制し、全ての地区に経済地区を設けることで、環境破壊を抑えつつ牧畜の発展を実現することが可能と考える。Imazonも開発に歯止めをかけることは困難として、開発地区と保護地区を両立する土地利用を提案、持続可能な開発の実現に向けて、政府に違法伐採・開発を規制する法律の整備を求めている。