ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

アグリビジネス

2005年11月30日(水)

 塩漬けブロイラーの関税率を巡ってブラジル政府は二十二日、世界貿易機関(WTO)でEUと対峙する。ブラジル案が規定違反とみるEUは十八日、WTO裁決をさらに十五日間延期するよう要請した。ブラジル政府は、EUが何ら代替案を提示することなく一年間回答を引き延ばしたことを不服として即時裁決を求め、業者が被る損害は多大であるとしてEUの無期限延期に抗議した。WTOはEUによる同品の類別誤りを認めた。EUは二〇〇二年まで同品の関税を一五・四%としていたものを、それ以後塩漬けブロイラーは冷凍ブロイラーであるとして七五%に関税を引き上げた。WTOは法廷論争を避け、双方の話し合いのために十日間の猶予を提案した。
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 干ばつによる穀物生産の不振と不利な為替事情にかかわらず、〇五年八月までの農業生産GDP(国内総生産)は、五二〇六億レアル、昨年同期比二・五%減と全国農牧連盟(CNA)が発表した。ドルで換算すると二一二〇億ドルとなり、昨年同期比一六・二%増となった。農業所得の減少は一六一億レアルで、GDPが一一・五八%減となった。牧畜は七億五〇〇〇万レアルの損害を被った九五年以来、最低の状況である。この所得減少は、農産加工や農業生産、農業就労で経済を賄ってきた地方都市を直撃すると見られる。
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 ブラジル政府は、世界貿易機関(WTO)から農業補助金に上限を設ける提案を受けた。WTO案によれば、補助金が農産物輸出総額の一〇%を超過すると同案が自動的に発動する。また農業補助金が許容されるのは、世界農産物貿易の二%以内としている。農務省国際課は同案のメカニズムを承認し、G20及びケアンズ・グループへも連絡して了解を求める。先進国が資金力に物を言わせて途上国の農業をじゅうりんした補助金制度に、これで歯止めがかかるものと思われる。聖域と称して、米輸入に課していた天文学的関税率も対象になるらしい。自動的発動とは、偽装補助金にWTOが介入する。食糧安保を理由にした例外や特別扱いを排除し、世界共通のルールを設ける。食糧自給率の低い国は、これで内堀をも埋めることになるらしい。

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