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来年予算6万レアル赤字=執行部手腕に疑問符理事会の議論低調=無責任な意見も出る=文協

2005年11月30日(水)

 ブラジル日本文化協会(上原幸啓会長)は第三百五十三回定例理事会を二十六日午前十時から、文協ビル会議室で開いた。十五人の理事が出席。来年度の事業計画案や予算案が審議された。発表された六万レアルの赤字予算を問題視する声もあったが、活発な議論は行われず、来月三日の評議員会に諮られることになった。本来は文協五十周年事業であるはずの講堂改修に関しても「百周年事業にしては」と無責任な意見も飛び出し、文協執行部の経営手腕に大きな疑問符がつく結果となった。
 重田エウゾ専任理事が司会を行い、過去三回行われた常任理事会と八月二十三日の臨時常任理事会の議事録が拍手で承認された。
 〇六年度事業案について、各委員会から計画が提出され、それぞれ承認された。
 小川彰夫広報委員長は毎週水曜日行っている水曜シネマについて、「好評のため、継続していきたい」と提案。
 移民史料館の田中洋典運営委員長は十八日に日本移民関係の六資料館関係者による会議が行われたことを報告。「これからも定期的に活動を行い、将来は資料館間の情報ネットワークを構築したい」とした。
 山本喜誉司賞が今年創設から四十年を迎えたことを受け、杓田美代子同賞選考委員長は「記念誌や映像で受賞者の軌跡を残したい」とし、年に数回は農業に関する講演会を開く考えを示した。
 秀島マルセロ副会長は
「バザー委員会を文化祭委員会に改称、来年五月二十一日に文化祭を開催したい」とし、リッファを廃止する代りに、企業からの協力を仰ぐことを提案した。
 和田忠義スポーツ担当次席理事は文協五十周年の目玉事業に挙げられていた大講堂改修に関して、「百周年事業にしてもいいのではないか」と発言。
 これに対し、松尾治副会長は強く反発。個人的な意見と前置き、「あくまでも文協の問題」としたうえで、「個人からの寄付なども考えている」。
 なお、来年に予定される五十周年記念事業委員会解散後は、同事業は管財委員会に委譲することが確認された。
 〇六年度予算案に関して、収入が百七十一万一千二百十五レアル、支出が百七十七万一千六百一レアルであることが発表され、六万三百八十六レアルの赤字会計になることが明らかになった。
 赤字が計上された委員会は次の通り。
 図書委員会(二万一千六百五十八レアル)、日本館運営委員会(八千四百レアル)、広報委員会(四万五千九百五十レアル)、史料館運営委員会(九万七千三百六十八レアル)、国士舘運営委員会(四万四千二十一レアル)、社会福祉委員会(五万レアル)。
 赤字会計に疑問の声も上がったが、突っ込んだ議論は行われず、同予算案を文協経営の現状として、来月三日の評議員会に諮られることとなった。伝田英二会計専任理事からの説明は本人が欠席のため、行われなかった。