2005年12月01日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】ブラジルの司法官らが、連邦最高裁(STF)が非効率で、偏った判断を下しているとみなしていることが、二十九日に発表されたブラジル司法官協会の調査で明らかとなった。
今回の調査は、ブラジル司法官協会(AMB)が二十七州にある司法機関で勤務する三千二百五十八人を対象に実施した過去最大のもの。STFの効率については四六・八%が否定的、一一・七%が肯定的、公平性については三三・六%が否定的、二六・一%が肯定的に評価した。
また、STFが連邦政府から独立しているかについては、十点満点中三・七点、財界からの独立性については同四・六点と厳しい評価が下され、九〇%以上が、最高裁判事が大統領に任命される現在の制度の変更に賛成している。
今回の調査結果に不快感を示したジョビン最高裁長官は、司法改革への対立姿勢を維持してきたAMBとの長年に渡る見解の相違が現れた、司法制度には問題も多いが、今回の調査は司法官の見解を示したもので、社会の評価を表したものではないと慎重にコメントした。
STFには厳しい結果となったが、選挙裁判所は六割以上が効率的で公平と前向きに評価。司法機関で多くみられる縁故採用の現状については、六八・四%が親類の採用に反対。弁護士の活動については、訴訟の不手際、倫理性、能力の点で、三割近くが否定的に評価、六五・八%がブラジル弁護士会が弁護士活動のチェックを十分行っていないと厳しく批判した。