2005年12月02日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】全国の都市別での自然死以外の死亡率(殺人や原因不明の銃器による死亡)が高いことから、サンパウロ市とリオデジャネイロ市は依然としてトップと二位に位置しているものの、減少傾向を示すとともに、グアルーリョス市などのサンパウロ州三市が十位以内から姿を消して、州内の防犯が向上した証を示した。保健省が初めての試みとして二百四十九都市を対象に調査したもので、二〇〇〇年と比し二〇〇四年には、サンパウロ州三市と入れ替わりクリチーバ市など五市がワーストテンに顔を並べた。殺人のトップはリオ州北部のマカエー市で人口十万人当り百八人の死亡を記録した。
二〇〇〇年のワーストテンランキングではサンパウロ市がトップのほか、サンパウロ州のグアルーリョス(四位)、ジアデーマ(七位)、カンピーナス(八位)の三市が名を連ねたが、二〇〇四年ではいずれも枠外へ去った。このほか、オザスコ(十六位)、サンベルナルド・ド・カンポ(二十二位)、エンブー(二十四位)もことごとく改善を示し、二〇〇四年のワースト二十五市の中で、グアルーリョス市のみが二十位で姿を現したにとどまった。
これらの市での犯罪減少について当局は三つの要素を挙げている。一つは警官のパトロールの強化による、とくに殺人事件の減少、二つ目は銃器放出運動の成果、三つ目は青少年の非行防止の指導となっている。とくにカンピーナス市は誘拐事件のメッカと言われていたが、当局の壊滅作戦が功を奏した。
調査対象となった二百四十九都市は人口九千四百六十万人を占め、全国で昨年発生した自然死以外の死亡十二万三八四九人がこれらの都市内だった。このうち六〇%が殺人だった。またランキング上位の百市では三人に一人が犯罪による死亡だった。
昨年のワーストテンは一位から五位までが順に、サンパウロ、リオ、ベロ・オリゾンテ、レシフェ、ブラジリアで二〇〇〇年も名を連ねているが、六位以降のクリチーバ、サルバドール、フォルタレーザ、セーラ(エスピリト・サント州)、フォス・ド・イグアスはいずれも新顔となった。
二〇〇〇年のワーストテンは順に、サンパウロ、リオ、レシフェ、グアルーリョス、ブラジリア、ベロ・オリゾンテ、ジアデーマ、カンピーナス、ジャボアトン・ドス・グァララペス、オリンダだった。この推移について専門家筋は、北東部地方では貧富の格差が招いた結果で、南部地方では国境地帯に台頭した麻薬や武器の犯罪組織が原因だと指摘している。
全国の州都のワーストランキングは、一位から八位までの前述のほか、マセイオー(十二位)ゴイアニア(十八位)、ポルト・アレグレ(十九位)、ポルト・ヴェーリョ(二十二位)、マナウス(二十三位)、クイアバー(三十位)、カンポ・グランデ(三十一位)、ヴィトーリア(三十五位)ベレン(四十一位)、サン・ルイス(四十四位)、マカパー(五十九位)、アラカジュ(六十三位)テレジナ(六十四位)、ジョン・ペソア(六十九位)、フロリアノポリス(七十九位)、ナタル(九十五位)だった。
殺人が最も多かったのはマカエー市で、人口人口十万人当り百八人となった。同市は油田が発見されたことで新興都市となり、お定まりの利権争いやならず者の流入で犯罪が急増した。次いで順にセーラ(百六人)、フォス・ド・イグアス(九十七人)、となった。
銃器による原因不明の死亡はサン・ゴンサロ(リオ州)、ナタル、サルバドールの順で、自殺はサンタ・クルス・ド・スル(リオ・グランデ・ド・スル州)、バルバセナ(ミナス・ジェライス州)、ボトゥカトゥ(サンパウロ州)、交通事故死はカンポス・ド・ゴイタカゼス(リオ州)、ロンドノポリス(ミナス州)、ジャラグアー・ド・スル(サンタカナリーナ州)の順だった。