2005年12月02日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】国内運輸連盟の委託を受けてセンサス社が行った世論調査によると、一連の国会スキャンダルの影響で、ルーラ大統領の人気が急落している中、北東部や北部では依然として支持率が高いことが示された。
しかし支持者はすべて貧困手当てを受けている下層階級で、手当てを受けていないその一歩上の階層では賛否が均衡していることから、大統領への支持ではなく手当への支持の様相を呈している。現に来年の大統領選挙の仮想選挙では北東部はルーラ大統領への投票が多かったが、北部では仮想候補のセーラサンパウロ市長およびアウキミンサンパウロ州知事が圧勝した。
同調査での支持率の全国平均は四六・七%対四四・二%でわずかに支持がリードしているが、これは北東部の五九%対三四・五%、北部の五四・六%対三八・八%の高支持が影響している。他地域では圧倒的に不支持が多い。中西部では五六・二%対三四・三%、南部では四七・五%対四〇・八%と大統領の人気が凋落している。
所得階層別では最賃以下の貧困層で手当を支給されている階級は支持率が五二・六%(不支持は三七・三%)と高いが、その上で最賃五倍までの手当のない層では四六・二%対四五・二%と均衡している。最賃五倍から十倍までの層では逆転して三四・一%対五七・六%、十倍から二十倍の層は三十・二%対六二・三%へと差が拡大している。
仮想選挙では全国でセーラサンパウロ市長が八・六ポイント差で勝利を納めるとの結果が出たが、北東部ではルーラ大統領が四九・六%の支持票で再選されるとしている。しかし北部では四七・四%でセーラサンパウロ市長に軍配が上がり、ルーラ大統領最大の砦の一つも崩壊しつつある様相を呈している。