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バイク2人乗り=南米旅行再び静岡から60代夫婦=日系社会も訪ねたい

2005年12月02日(金)

 前回は出会い、今回は再会――。二〇〇〇年から約二年をかけ、南米大陸約四万キロを排気量九十CCのバイクで走破した高田典男(67)和子(60)夫妻=静岡県浜松市=が再度、一年をかけ赤い大地に挑む。先月初旬に来伯、現在通関中のバイクを待ち、リベルダーデ区のホテルでアイドリング中だ。二人二輪の旅行がこれから始まる。
 リオのカーニヴァル、ペルー・クスコのインティライミ(太陽の祭)はすでに訪れた。来年二月に行われるボリヴィア・オルーロのカーニヴァルにターゲットを合わせ、南米三大祭を制覇する。
 「六月のインティライミには、もう一度行きたい。その間にアンデス音楽などを堪能します」と典男さん。五、六十年代のラテン音楽をリードしたザビア・クガート楽団、トリオ・ロス・パンチョスに若い頃魅せられて以来の中南米音楽ファン。名古屋にある中南米音楽研究会の会員になって三十年を超える。
 今回の大きな目的は前回知り合った知人たちと再会すること。
 手紙などで交流を温めてきた和子さんは、「前回の旅行で出会った人と再会して、お喋りするのが楽しみ」と期待を膨らませる。ある知人が電話をくれたときは感激した。
 「友達ができるのは素晴らしいこと。幸せです」と笑顔を見せる。
 典男さんは「各国の日系コロニアも訪れ、日本人の足跡を見たい」と話し、「かつてベーリング海を渡った同じモンゴリアのルーツを持つ人々と触れ合えれば」とも。
 使用するバイクは前回同様、ヤマハT―90N、通称ニュースメイト。前回の旅行でパンク以外一度の故障もなかったことから、全幅の信頼を置いている。
 二人乗りで荷物などもあるため、乗車位置を前方に移動、荷物の重心が後輪の車軸上にくるように改造、安定性を重視した。変則ギアも三段から四段へと登坂性を高め、スピードも時速七十五キロまで出るよう設定。元エンジニアの典男さんにとってお手のものだ。
 「やはり、バイクが一番。風を受け、その土地に百%ひたれるし、自由自在に移動ができる」とバイク旅行の醍醐味を語る。
 しかし、いくつかの問題もあるという。宿探しもバイクを入れられる場所があることが条件となる。明るいうちに移動し、現地で危ないルートと聞けば、飛行機での移動も視野に。移動中の安全には事の他注意を払う。
 今まで行った国のなかでは、コロンビアが一番のお気に入り。「景色もいいし、人柄もいい」。
 今回の旅行のゴールも、パラグアイ、ボリヴィア、ペルー、エクアドルを経てコロンビアの都市、メディジンに定めた。
 子供は三人。小二を頭に七人の孫のおじいちゃん、おばあちゃんでもある二人。
 「七十までにもう一度やりたい。もちろん次回も南米です!」。強い決意と笑みが広がった。