2005年12月03日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】モトボーイ(オートバイによる宅配業者)のバイクに用具取り付けなどを義務付ける市条例が一日発行したことで、規則に抗議するモトボーイらがサンパウロ市主要道路を遮断、市内は渋滞に陥り大混乱をきたした。
抗議に参加したオートバイは当初三〇〇台で午前十時半にはヴィンテ・エ・トレイス・デ・マイオ通り(サンパウロ市南北の幹線、五月二十三日通り)の交通局前の両車線を遮断した。このため普段でも渋滞となる同通りは両側で三キロにわたり交通がマヒ、付近の迂回路も渋滞で混乱した。軍警の出動で遮断は解かれたが、集団はその後、パウリスタ大通り、コンソラソン通り、ファリア・リマ通りのトンネルなどを封鎖して同様の混乱を起こした。
さらに集団は通りかかった全てのモトボーイに対し抗議の輪に加わるよう強制、従わないモトボーイに暴力をふるったり機体を損傷させるなどの暴挙に出た。このため多数の勤務中のモトボーイが業務に支障をきたした。集団は午後四時過ぎにサンパウロ市庁前に集結し、エンジンをふかして「メンサロン(不正資金)」など無関係な言葉を怒鳴りながら気勢を挙げた。市当局が代表者を招き入れ規制内容を説明したところ、集団は納得し解散した。
今回の市条例はこれまで認められなかったオートバイによる宅配を会社組織あるいは個人による営業を合法化することで、規制のもとに登録化したもの。そのために事故による人身事故防止のために、ヘルメットやすね当て、ブーツ、チョッキなどの用具着用と機体への器具取り付けを義務付けた。これを取り付けた上で登録することになる。
当局によると、現在登録されている会社は一五〇〇社で、不法営業は一〇〇〇社に上り、モトボーイは個人のモグリも含め八万人から十二万人に上るとみている。このうち登録済はわずか三千人にすぎない。今回の条例は不法営業者(個人も含め)を一掃する狙いもあるが、事故防止が第一の目的だと強調している。
今回の抗議集会はほとんどが個人の不法業者によるもので、市内の渋滞で迷惑を受けた市民は、今回の条例は一カ月以上も前に通達されており、実施日にあわてふためくのは無責任だとし、日頃モトボーイの運転マナーの悪さを快く思っていないこともあり、モトボーイらに同情する向きはほとんどみられなかった。