2005年12月03日(土)
ポルトガル語の女性弁士が話芸を披露し、ブラジルのギターや打楽器、そして三味線が効果音や音楽を奏でる「日本の無声映画特集」が六日から十一日まで、ヴェルゲイロ街1000のサンパウロ市立文化センターで開催される。
同センターと国際交流基金サンパウロ日本文化センターの共催。
上映されるサイレント作品は「生まれてはみたけれど」(小津安二郎監督)、「雄呂血」(二川文太郎監督)、「瀧の白糸」(溝口健二監督)、「御誂治朗吉格子」(伊藤大輔監督)。いずれも一九三〇年初に撮影されたものだ。
このうち、八、九、十、十一日の「生まれては―」「瀧の―」二作のみに弁士、音楽演奏が付く。
また、サイレントからトーキー映画への変遷期、松竹・蒲田撮影所で映画作りに情熱を燃やしていた人々を描いた山田洋二監督「キネマの天地」(一九八六)も特別上映される。
かつて落語、講談と並んだ活動弁士の話芸。今特集の作品に活力を吹き込む弁士として、能楽を日本で学んだ経験のあるダンサー、アンジェラ永井が起用された。異色の試みとなる。
音楽は、著名ブラジル人歌手と共演する一方、日本の童謡も演奏するギターのカミーロ・カハラ、民族音楽コーラスグループの打楽器奏者バレリア・ザイダン、そして民謡からクラシックまで多彩な音楽をこなす三味線の北原タミエの三人が担当する。
プログラムは次の通り。
六日=午後四時「御誂治朗吉格子」▽六時「瀧の白糸」▽八時「キネマの天地」
七日=午後四時「キネマの天地」▽六時「生まれてはみたけれど」▽八時「雄呂血」
八日=午後四時「瀧の白糸」(弁士、音楽あり)▽六時「キネマの天地」▽八時「御誂治朗吉格子」
九日=午後四時「生まれてはみたけれど」(弁士、音楽あり)▽六時「雄呂血」▽八時「キネマの天地」
十日=午後四時「キネマの天地」▽六時「雄呂血」▽八時「生まれてはみたけれど」(弁士、音楽あり)
十一日=午後四時「キネマの天地」▽午後六時「御誂治朗吉格子」▽午後八時「瀧の白糸」(弁士、音楽あり)
会場の収容人数は百人。入場無料。一時間前に整理券が配られる。
問い合わせ先電話11・3277・3611(サンパウロ市立文化センター)