尖閣諸島に上陸し日本も核武装を議論すべきなどと威勢のいい西村真悟衆議が逮捕されるという不祥事が起きた。安保の論議や拉致問題での北朝鮮批判は大いに結構にしても、弁護士法違反で捕まるのはどうしたことか。右翼団体の出身とされる事務所の職員に自分の弁護士印を使用させ無資格で交通事故の示談交渉をさせたりしたのだから警察に逮捕されるのは当然としか云いようがない▼西村衆議は雑誌にもよく論文を発表しているし、かなり保守的な思想の持ち主と見ていい。ただ、民主党ではかなり浮いたかたちになっていたらしく、仲間も少なかったようだ。安全保障などの考え方が、相当に強気なので左翼系が比較的多い民主党では議論が噛みあわないの現実もあったのではないか。勿論、フアンや支持者はいる。中国の原潜による領海侵犯に対する厳しい非難論文などに賛成の人が多いのも否定し難い▼しかし―である。どんなに立派な意見を述べ議論を展開したにしても、法の番人である弁護士が、法律を破ってはいけない。西村容疑者は、余り懐が豊かではなかったらしい。洋服も着古したようなものを用い経済的にも苦しい。そんなこともあって悪いと知りながらも、やってはいけない仕事に手をつけた▼父の栄一氏は論客でありワンマン宰相の吉田茂からバカヤロウ解散を引き出した政治家である。最後は民社党委員長となり活躍したがガンに倒れた無念の人でもある。西村容疑者は、この亡父の苦しみと政治的な闘いを思い返へして欲しい。 (遯)
05/12/06