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今年の経済成長は2・66%=金融界に下方修正の動き=中銀は強気の見通し変えず

2005年12月07日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】第3・四半期の国内総生産(GDP)が前期比一・二%のマイナス成長だったとするブラジル地理統計院(IBGE)の発表を受けて、金融界では今年のGDP成長を当初の三%から二・六六%へ下方修正する見方が強まっている。中銀が金融アナリストらの分析をとりまとめた調査報告で明らかにした。
 いっぽうでIBGEの統計数字を疑問視する声もある。パロッシ財務相も公然とIBGEの算出法を批判する発言をしており、少なくとも統計の権威とされるIBGEの資料でとかく批判が噴出すること自体が経済政策の不備だと指摘する向きもある。フレイタス元中銀理事もIBGEの統計を疑問視する一人で、過去の例の如く算出数字の訂正があるとした上で、今年のGDP成長が三%以下になると決めつけるのは早計だとの見方をしている。
 中銀の調査によると、第3・四半期のGDPマイナス成長は一時的なもので、今後の動向に影響しないとする見方が大半で、来年度の成長は最低三・五%、四%に達する可能性もあるという。しかし、成長とは裏腹に基本金利の引き下げは鈍足気味で、十二月の引き下げは〇・五%止まりになると予測している。これによりインフレは多少上昇し、今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は当初予想の五・五九%から五・六三%に上昇している。
 しかし来年の経済成長で基本金利は年間一五%以下が予想され、実質金利も現行の三%減の一〇・五%になるとみられている。これによりインフレは四・二%となり、政府目標の四・五%を下回る。為替相場は五%のレアル安となり、一ドル=二・三〇レアルで推移し、貿易黒字は三五〇億ドルから三六〇億ドルになると予測されている。