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コラム オーリャ!

 なぜ日本語を残したいのか――。一世にそう尋ねた時の答えに「日本に行った時に役に立つから」という答えが加わってきたように感じる。
 デカセギ滞在が長期化するにつれ、日本語で育った子弟と両親との間にコミュニケーションの問題が出ているという。先ごろ傍聴したセミナーで講師が報告していた。
 それはかつて日本移民の両親たちが経験した問題でもある。その結果、一世の祖父母と孫が日本語で話すという現象も起きている。
 ある一世の婦人と話した。「ここはブラジルだから、日本語ができなくても」と語る姿と、日本から戻った孫が日本語で話す様を説明する姿は、どこか対照的だった。
 先日亡くなった知人にも、日本で長く暮らす孫がいた。「日本語が上手くなってなあ」、そう話す時の表情は、やはりうれしそうだったのを思い出すのだ。(ま)

 05/12/07