ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | PT=裏金で借金を返済=副大統領創業の企業へ=元財務担当、証言を翻す

PT=裏金で借金を返済=副大統領創業の企業へ=元財務担当、証言を翻す

2005年12月08日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】不正資金と裏金操作疑惑で議会調査委員会(CPI)の追及を受けている労働者党(PT)が、コテミナス社に一〇〇万レアルの借金の返済を裏金で支払っていたことが明るみに出て、連警では関係者を取り調べて追及する方針を固めた。
 連警の調べによると、借金の返済は今年五月にPTの職員が現金でブラデスコ銀行のコテミナス社の口座に振り込んだもので、同社では領収書を発行している。しかるにPTの経理帳簿にはこれが記載されておらず、党現執行部も報告を受けていないことから、裏金操作は明らかだとみられている。
 この事実が発覚した五日、当時の資金操作を担当していたソアレス前PT財務担当は、この資金は正当なもので、表帳簿によるものだと言明した。しかし一夜明けた六日、前日の言をひるがえし、裏帳簿による支出で、一連の不正資金を操作してきたヴァレーリオ氏が介在した、いわゆるヴァレーリオ・ルートの一部だと証言した。これにより連警は疑惑の確信を深めて捜査を開始したが、単にヴァレーリオ・ルートにとどまらず、複数の裏金ルートがあると見て追及する意向だ。
 PT執行部は重なる不祥事に困惑を隠せないでいる。とくにコテミナス社はアレンカール副大統領兼国防相が創業者で、現在は長男が社長となっている。同副大統領はPT現執行部と折り合いが悪く、袂を分かってPTを離党した経緯がある。このため執行部では今回の事実は副大統領陣営からの告発ではと邪推し、確執が一層深まっている。PTのコテミナス社への借金は、同社が国内繊維の大手なことから党の宣伝用Tシャツ二七〇万着強を〇四年に発注、代金一二〇〇万レアル余が未払いとなっており、今回の一〇〇万レアルはその一部だった。
 副大統領は、借金の一部を返済してもらって正式に経理処理したもので、金の出所や経理処理はPT内部の問題で我社には関係のないことだとして、PTとの確執については否定した。