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今年も浸水被害続出か=対策遅れに住民の不安募る=サンパウロ市

2005年12月09日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】年末から年始にかけての豪雨シーズンを迎えて例年発生する出水による被害への対策が求められているが、サンパウロ市では予算不足で治水工事がはかどらず、今年も何ら効果が期待できないのが実情だ。
 当局では河や排水溝の清掃に専念し被害を喰い止めようとしているが、満足な状態に届かず五〇〇地区の三万六千世帯が浸水地帯とされ、このうち一万一千世帯が危険性の高い地区に指定され、住民は不安な日々を過ごしている。
 当局では十一月三十日までに今年の排水溝改修予算五三〇〇万レアルのうちわずか二・九%相当の一五〇万レアルしか交付しておらず、危険地域と目される所では一一五〇万レアルの九・六%相当の一一〇万レアル分しか工事が完了していない。
 さらに、川に注ぐ排水ポンプの清掃は五三%、ピシノンと呼ばれる排水溝は五四%、四千キロに及ぶ下水は六二%と大幅な遅れを見せた。中でも例年被害が甚大で、最大の危険地区に指定されている東部のアリカンドゥーバ区と南部のピラジュサフ区は二四〇〇万レアルの予算が計上されたにもかかわらず、全く手つかずの状態で住民の不安は募っている。