2005年12月09日(金)
【エポカ誌十一月二十一日】世界一税金が多くて高いブラジルだが、国民は税金の種類や税率は勿論のこと、税収の使途について知らされず、常に上昇する税金のツンボ座敷に置かれているのが実情だ。例えばガソリンの市販価格の五三%が税金であることを知っている人はほぼいない。
またスパゲティの三五・二%、今流行のDVDの五一・五%、大衆向け住居の四九%、電気料金の四五・八%、自家用車(一〇〇〇CC)の四六・六%に至っては、一般市民は「エッー」だ。市民は物価が上がる度に、生産企業に対し不平不満を並べるが、実はこの税金が悪玉で、消費者が知らぬ間に払っていたのだ。
これに対して立ち上がったのが南部に本拠を置く中産階級協会で、製品の価格と税金を項目毎に価格表に明記するよう求めている。欧米やメキシコ、アルゼンチンではこれが義務化され、税金を透明なものにしている。実はブラジルでも一九八八年にこれを義務化した法令があるにもかかわらず、政府は無視している。同年から十七年経過した現在、平均税率は二〇%から三七・五%へと上昇した。この動きにはジェルダウ・グループ、エストレラ、フィリプス、テレフォニカの大企業の経営者も含まれている。
同協会が州都五市で税金に対する意識調査をしたところ、わずか半数が家屋税(IPTU)を知っていたが、市税とは知らなかった。また八七%は所得税を払っていることを忘れており、勿論税収の使途は不明。通称小切手税のCPMFは四一%が払っているのに、このうち四%のみが税金の意味を知っていた。さらにIOFやISSについては全員が無知だった。