群馬県の上毛新聞がデカセギについて現況を取材、連載したので、本紙も許可を得て転載した。興味深い話題がいくつかあったが、その一つは子供たちの「教育」。読後感は「やはり自分のことは自分で」だった▼今や、過去ブラジルに移民してきた日本人の数より多い日系を主にしたブラジル人たち、家族が日本に行って就労している。子供たちはブラジルには帰らない、といい、家長は日本に家を購入しようとする。定住指向が強まるということだ▼こうした中にあって、日本の学校教育についていけない子供たちが非行に走り、長じるに従って犯罪者となる。ブラジルの有識者の一部には、あからさまではないものの「日本政府、自治体は、在日ブラジル人に対するポ語教育に支援をしてほしい」といった議論がある。ブラジル人は、日本国内で働いて貢献している、といった考え方が背景にあるからだろうか▼しかし、これは受け入れられないだろう。日本側の「公」は、ブラジル人が日本で暮らせるよう、日本語で教育がしっかり受けられるよう支援する、という考え方をしている。それが筋に違いない。だから、日ポ語のバイリンガル教師を公立校に配置するなどは「厚意」と受け止めねばならない▼上毛新聞の記事で、日本語を覚えると仕事の幅が広がるというのがあった。日本人のニートより、雇う側にとっても戦力として計算できるのであろう。定住するブラジル人にとって、日本語は事実上の母国語になるわけだ。(神)
05/12/09