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年末商戦は昨年並みの水準=マイナス予想くつがえる=金利引き下げ確実で消費回復

2005年12月10日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】今年のサンパウロ市内での年末商戦は、一般消費力の減退から例年に比べ落ち込むとの悲観論に反し、昨年並みの水準で推移するとの見方が大勢を占め、商業界では安堵の色を浮かべている。
 サンパウロ州商業連盟では今年半ばの時点で十二月の販売が最悪でマイナス一二%に及ぶと予測していたが十一月と十二月で消費の回復を見たことで、今年の年間成長は昨年比二%上昇するとの上方修正を行って一息ついている。
 同連盟によると、上半期の販売は例年平均の七・五%増どまりとなり、さらに一月から十月までは二・七%と例年になく減速した。中銀では九月に金利引き下げを実行したが、これが継続されるのか不透明な部分が多かったことから、販売減少はさらに拍車がかかるとみられ、故に前述のマイナス成長予測となった。
 しかし十一月から十二月にかけて状況が一変し、販売は一気に三四%増となり、例年平均の三二%を上回る結果となった。同連盟では五月に取りざたされ出した一連の国会スキャンダルで大統領インピーチメントの噂が持ち上がったことも不況に輪をかけるとみていたが、結果としては影響なく、消費に関しては政経分離を如実に証したとみている。
 消費力が挽回したのは中銀の金利引き下げ政策が確実になったことが最大の要素となっている。それを示しているのが消費者信頼度指数( ICC)で、九月と十月の最低に近い水準一〇〇ポイント以下から、上昇して十二月は一三一ポイントに達した。ICCは二〇〇ポイントが最高で、一〇〇ポイント以上だと優良状態にランクされる。今月のそれは昨年末の一四五ポイント以上に及ばないが、二〇〇三年末より一一%増となった。
 一般消費者の購買力もわずかながら向上している。十二月に入り、何らかの支払い債務があるとしたのは百人中六十一人で、十一月の六十三人、昨年十二月の七十人より減少している。また一月から十一月までに一〇五〇万人がそれまでの支払い延長を一掃しており、昨年同期の一〇%増となった。
 いっぽうで一般消費者の支払方式は四カ月前から金利の不透明なことから、長期月賦支払いは敬遠気味となってきたが、十二月に入りそれが顕著となった。これは多分に安易な支払方法よりも、短期支払いでより安い物を求める傾向が強まった証拠だ。商業連盟によると、今月七日間で、小切手による一括払いは昨年間期比六・九%増加したのに対し、長期分割払いの増加はわずか一・八%にすぎなかった。