2005年12月10日(土)
二十三日に七十二歳を迎えられる天皇陛下の誕生日を祝う会が八日、サンパウロ市のブラジル日本文化協会とサンパウロ総領事公邸で開かれ、日系社会の代表らが多数出席した。
文協の祝賀会会場では天皇皇后両陛下の肖像画が特別公開された。日伯両国歌を斉唱後、上原幸啓会長があいさつ。
「天皇陛下はブラジルを訪れ親善に尽くされている。日系社会に対する激励の言葉は終生忘れえぬ喜び。今後ますます日本人の心のよりどころとなることを願う」と語った。
続いて、丸橋次郎首席領事が「天皇陛下の誕生日を今年も日系社会で迎えられることに感謝する」としたうえで、「今年は紀宮さまのご成婚、日本語センターが企画したふれあい日本の旅では天皇陛下とのご一見もあった。実りの多い年だった」と話した。
祝賀会には酒井清一サンパウロ日伯援護協会会長ら共催日系団体の代表ら約四十人が出席。酒井会長の万歳三唱で会は終了した。
その後総領事公邸に場所を移して祝賀会が行われた。公邸に招待されたのは約三百人。
西林万寿夫総領事の祝辞後、前日から用意したという喜久子総領事夫人の手作りカレーを食べながら出席者は歓談。
天皇陛下と同年生まれの川上淳グアタパラ農事文化体育協会会長は「おそれ多いが、同じ時代に生まれ、親しみを抱いている。今年六月に訪日した時には、植樹祭に参加し、子ども時代の話もできた」。
また、その際川上さんに同行したというJETプログラムOB会ブラジル支部のサガラ・イズミ・クリスチーナさん(2世)は「お目にかかった時涙がでた。二世だけど父が軍人で天皇陛下について毎日聞かされていたから」と話した。
また、重岡康人ブラジル日系老人クラブ連合会会長も「陛下が来伯されたときに、声をかけたらいけないといわれていたのに一人の老人が握手を求めた。そのおかげで、後に並んでいた私も握手できた」と思い出話を語っていた。
【ブラジリア支局】首都ブラジリアでは七日、日本大使公邸で天皇誕生日祝賀会を催した。
会場の入口正面には天皇皇后両陛下の御真影が飾られ、堀村隆彦特命全権大使が出迎える中、各国大使館関係者、政府、軍の高官やブラジル中西部日伯協会連合会関係者など多数の招待客が参列した。
祝賀会は掘村大使のあいさつに続いて、州政府吹奏隊による日本、ブラジル両国家の吹奏。その後、出席者は飲み物や立食式の寿司、天ぷらなどを賞味しながら歓談した。
最近空軍参謀長に昇進した斉藤中将も夫人、娘同伴で出席していた。昇進後の現在の気持ちを聞いてみると、「夢を実現したと思います。もし両親が生きていたらどんなに喜んでくれたか、それが残念です」と語っていた。