2005年12月13日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】ルーラ大統領は来月行う予定の同政権最後の内閣改造で、来年の選挙に出馬する候補者を閣僚メンバーから外すことを明らかにした。これに向けて現在の閣僚らと個別に会談しているが、今年最後の閣僚会議となる十九日に最終決定を行うことになっている。閣僚メンバーもこの時点で出馬の意思表示をする。
選挙法では大臣は選挙日の六カ月前、つまり来年は四月三日までに辞職することが義務づけられている。大統領は組閣に当たり、任期完了までに職をまっとうできる人材を登用すること、候補者が選挙運動にうつつを抜かして職をおろそかにすることを避けるのを大義名分としており、このため少なくとも十人の大臣が上議、下議、州知事選に出馬するためポストを離れるとみられている。
中でもシーロ・ゴメス国家統合相は副大統領候補に推されていることからポスト離れの第一号となる。このほか環境相、保健相、予算管理相、観光相、社会福祉相、スポーツ相、水産相らが、下議や州知事選に出馬予定のためポストが入替わることになる。
注目されるのが財務相のポストだ。パロッシ財務相はロウセフ官房長官を始めとする政権内部から経済政策に対する批判の噴出と、リベイロン・プレット市長時代の党不正資金疑惑が表面化したことで、いつでも大臣を辞めると開き直っている。ルーラ大統領は擁護に撤し、最後まで職をまっとうするよう八方手を尽して慰留に努めている。
しかしすっかり嫌気のさしているパロッシ財務相が下議への出馬を表明した場合、大統領の思惑は万事休すとなる。この場合、後任にメルカダンテ上院国対委員長とマルタ前サンパウロ市長の名も噂されている。両者は次期サンパウロ州知事に立候補を表明しており、大統領は党内分裂を回避するため、いずれかに大臣ポストを与えて立候補を断念させる意向だと伝えられている。
ルーラ大統領は組閣を来年度予算の国会での承認を前提条件としている。国会は来月が休会となるため、表決を今月三十日までの期間中に完了しなければ次回は二月十五日となるため、政府は今月中の承認を求めている。
大統領は予算が承認されていないのに大臣のポストを引受ける人間はいないと語っている。カリェイロス上院議長は最悪、一月に臨時国会を召集して表決する意向だが、ワグネル憲政相は真っ向から反対している。臨時国会を召集すると、議員に対し一カ月分の給与相当額を支給しなければならず、余計な出費だとしている。