2005年12月13日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十二日】フォーリャ紙が調査したところ、ルーラ大統領は来年五月一日に調整される最低賃金を現行の三〇〇から三五〇レアルへと一六・七%引き上げる心積もりでいる。大統領はマリーニョ労相や中央組合代表者らと二十日にも会合を開き、三五〇レアル案で決着をはかりたい考えだという。
議会に送られた二〇〇六年度予算案では、最低賃金は三二一レアルの予定だった。連邦予算案上程者のメルス下議(労働者党)によると、最低賃金の引き上げで国庫負担は四六億レアル増えるという。
五〇レアルの引き上げは、ルーラ政権発足以来最大の上げ幅となる。インフレを差し引いた実質引き上げ分は一一%で、〇二年大統領選挙時の、最低賃金を実質で二倍にするとした公約には程遠い調整となっている。
しかし、ルーラ政権になって最低賃金は実質で年平均五・四%上昇し、八年間続いた前政権の上昇分が年平均四・七%だったことから、来年の大統領選挙で再選を目指すルーラ大統領は、その点を訴えていきたいとしている。
組合代表者らとの会合では、昨年に一〇%引き下げられた個人所得税(IR)の税率調整についても話し合われる見通しだが、政府は所得税の調整を抑えてでも、最低賃金の引き上げ幅を大きくすることを望んでいる。予算委員会では来年度の税収を一〇〇億レアルの増収と見込んでおり、最賃とIR両方の調整に十分な条件がそろっている。