卒業式のシーズン。機会あって、いくつかの日系学校を訪ねた。
先ごろ訪れた幼稚園の卒園式では子どもたちの発表はほとんど日本語。日本の学芸会のようと言えば月並みだが、そんな雰囲気か。聞けば半分以上の家庭ではポルトガル語を使っているという。
父兄の姿も興味深い。ビデオを手に我が子、我が孫の晴れ姿を逃すまいと最前列に陣取るその顔は、やはりお父さん、おじいちゃんの顔。「親ばか」は洋の東西を問わないようだ。普段の取材ではしかつめらしい顔を見ているのだが。
日系ではない父親、母親も多い。ある父親に日系以外の幼稚園との違いを聞くと「礼儀とか、尊敬の気持ちとか、違うと思うよ」との答え。
卒園式が終わると同時に、誰が言うでもなく父兄が率先して会場の椅子を片付け始めた。それを見て、少し分かったような気がした。(ま)
05/12/14