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海賊版製品販売を取締り=今月2日に続く第2弾=市民の75%が違法と知りつつ購入=サンパウロ市

2005年12月15日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】国税庁とサンパウロ州税務局の監督官らが十三日、サンパウロ市内アウグスタ通りのプロモセンター・ショッピングを急襲し、密輸品ならびに海賊版製品の違法販売取締りのため立入り検査を行った。この時期、クリスマス商戦に向けて大量に出回る違法製品販売に伴う脱税を取締るのを目的とした作戦で、二日に手入れを行ったパウリスタ大通りのスタンドセンターに次ぐ第二弾となった。国税庁では引続き市内の目ぼしい商店の取締りを行う意向を示している。
 プロモセンターにはボックスで仕切られた百四十店が出店しており、開店と同時にバス二台に分乗してきた監督官らがセンター内に入り、次々とペンチで錠を壊して各店内の検査を始めた。この結果、一〇〇リットル入りの袋一千個分の違法製品が押収された。前回のスタンドセンターでは三千個分が押収された。関係者によると、今回の立入り検査は予期されていたもので、国税庁の動きを察知した商店主らは数時間前に店から目ぼしい商品を持ち去っていたという。
 ブラジル米国商工会議所がIBOPEに委託して違法商品の実態を調査した結果、玩具、衣料、テニスシューズの三商品のみの密輸と海賊版製品販売で一二八億レアルの脱税が行われているとの報告がなされた。サンパウロ市とリオデジャネイロ市では八〇%の市民がこれまでに違法商品を購入した経験があり、半値以下の値段がその理由となっている。
 サンパウロ市では七五%が自ら求めて違法と知りながら買い漁り、リオ市の五五%を上回った。またサンパウロ市では今回手入れを受けたショッピングセンターのようにほぼ専門店といえるスポットがあるのも拡販の要素となっている。
 いっぽうで、バービー人形で世界的に有名な玩具メーカーのブラジル支社のマッテル・ブラジルがオモチャに関し調査したところ、サンパウロ市民の二二%が密輸品を購入している。全国平均の二四%よりも低いが、平均で年六回、消費額は一回平均一一・六一レアルとのこと。
 パウリスタ大通りでショッピングをしていた数人に話を聞いたところ、正規の輸入品は高くて手が出ず、半額から三分の一の価格のいわゆるニセモノを捜しているとのこと。テニスシューズとオモチャが圧倒的に多く、品質保証がなくても構わないとの声が多かった。