2005年12月15日(木)
援協巡回診療班が今年一年間に実施した、サンパウロ市近郊・奥地巡回の統計がこのほどまとまった。全体的にみて高コレステロール、糖尿病患者の比率は下がったものの、大サンパウロ圏では逆にこれらの生活習慣病が増えている。交通機関の発達で歩く時間が減ったことや食卓の西洋化が背景にあるようだ。同班は適度な運動や食事の見直しを呼びかけている。
根塚弘班長によると、今年は計八十八カ所回った。内訳は、サンパウロ大都市圏が十六、近郊が三十四、奥地・他州が三十八。
コレステロール検査は、全体で三千二百七十七人が受診。七・八%に当たる二百五十四人が、基準値(240mg/dL)を上回り、昨年に比べると、患者の割合が一〇%減った。
血糖値検査では、三千百三十七人のうち三百二十六人が糖尿病(110mg/dL)だと診断された。コレステロールと同様、糖尿病患者の割合は七%下がった。近郊・奥地ではいずれも、患者数の比率が右肩下がりの傾向を示した。
一方、大サンパウロ都市圏では、コレステロールが八百三十五人のうち七十二人(八・六%)、血糖値が八百一人のうち一〇六人(一三・二%)に異常がみられた。昨年比でそれぞれ、三六・五%、糖尿病が一五・八%増加し、注目を集めている。
巡回診療班は「都会に住んでいると、交通機関が発達していて、汗を流すことが少ないし、食事の西洋化の影響も受けている」と分析。
さらに「南マット・グロッソは牧畜業が盛んで、野菜をあまり取っていないのかと思っていた。結果をみたら、生活習慣病になっている人が意外に少なかった」とも。
同班は今後、巡回での栄養指導などを強化。生活習慣を見直すよう注意を促していく考えだという。