2005年12月16日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】司法省の統計によると、国内で児童を含む青少年の家出や行方不明者は年間四万人に上るという。大半は早期に発見されて事なきを得るが、しかし一〇%から一五%は行方知らずで時が経ち、未解決となっている。
家での原因は家庭内暴力と麻薬に絡んだのが多く、未成年者は非行グループの仲間に入り犯罪を重ねることになるため、関係者は社会問題として警察に家出人捜索に注力するよう求めている。サンパウロ州では年間一万七千人から一万八千人が家出しており、十八歳未満が四八%を占めている。八歳から十二歳までと、十四歳から二十歳までが増加傾向にあり、十二歳以下は一〇%となっている。
これらの家出人は「路上のパパイ」と呼ばれる犯罪組織のボスの加護を受けて一人前の犯罪人に育て上げられていく。殺人捜査課によると、家出少年の一〇%は何らかの犯罪に巻き込まれ殺害されている。
サンパウロ州警察は家出人捜索願が出されても二十四時間は動かない規定になっている。この時間内に解決され家に戻るケースが多いからだという。しかし関係者はこの二十四時間で取り返しのつかない事態に発展する怖れもあり、警察の対応の見直しを求めている。
リオデジャネイロ市では四十八時間に三人の子供が行方不明となっている、同市では捜索願が出されて四十八時間の猶予期間を置いており、この捜査の遅れで子供が遠方に移動してしまうとして同じく改善を求めている。