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中西部豪雨で多大な被害=7人死亡、180人家失う

2005年12月17日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】中西部で降り続いている豪雨は十五日、ミナス・ジェライス、エスピリト・サントの二州と首都ブラジリアに被害をもたらした。ミナス州では地滑りなどで七人が死亡、エスピリト・サント州では今回死傷者は出なかったものの、一八〇人が家屋を失い、一三九人が避難を強いられた。ブラジリアでは国会内に雨水が浸入、大統領政務室や各省ビルは停電で業務が止まるなど混乱した。
 ミナス州では十五日の降雨量が一一六ミリに達し、ヴァレ・ド・アッソ地方の三市が地滑りや洪水で最も被害が大きかった。そのうちのチモテオ市では十歳と九歳の兄弟が地崩れによる家屋の下敷きになり死亡した。兄弟は一帯を不法占拠していた国家住居運動のメンバー一四五家族のうちの子どもだった。また同地方では水に流されて男性(65)も死亡した。イパチンガ市では地滑りで四人が死亡した。
 州都ベロオリゾンテ大都市圏でも被害が続出、生き埋めとなった十数人が消防に救助された。また国道二六二号線四四三キロ地点のノーバ・セラナ市では、地滑りで三五メートルにわたり国道が押し流された。これによりディーゼルオイルを満載したトラック二台が転落した。同州ではこれらの市に非常警報を発令した。
 エスピリト・サント州では四十八時間にわたる集中豪雨により各市が洪水で孤立状態となり、六市で非常警報が出された。
 ブラジリアでは全市が停電となったほか、出水で通行止めが相次ぎ、混乱した。大統領政務室では予定行事が暗闇の中で行われた。各省のビルも停電で業務がストップ、最高裁判所でコンピューターが停まり、審理が停止された。
 国会内では雨水が浸水、職員が水かきに懸命だった。これらは夕刻には正常に戻った。気象庁によると雨雲をともなった低気圧が上空にとどまっており、さらに降雨は続く見込みだという。

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