2005年12月17日(土)
二〇〇八年のブラジル日本移民百周年、日伯交流年にあわせて、日本でブラジル展を開催する動きが進んでいる。日系社会を含むブラジル全体を紹介するもので、〇八年の一年間、日本国内各都市での開催を目指している。現在、発案者の県連を中心に企画が進められており、十五日に開かれた代表者会議でその概要が示された。企画はまだ始まったばかり。資金の調達や関係機関との折衝など主要な課題については検討を待つことになるが、日伯二十一世紀協議会でも開催に前向きな姿勢を示しており、今後の展開が注目される。
代表者会議で示された企画案によれば、同展は、ブラジル国の紹介」「日本移民の歴史」「日本企業および日伯ナショナル・プロジェクトの紹介」「ブラジル観光」「日伯の姉妹都市」など各分野でブラジルを紹介する内容。〇七年から日本移民百周年にあたる〇八年末まで一年以上にわたって、日本国内の諸都市、関係団体での開催を目指している。
企画にあたり県連では、関係する日本政府機関や日本国内のブラジル関係団体に相談し、今回の案をまとめたという。
中沢宏一会長は、「フェスティバル・ド・ジャポンでチエテ川の改修事業や国内各地の農業プロジェクトを紹介するなど、ブラジル側機関との関係を培ってきた実績が認められている」として、県連として実現に取り組む考えを示した。さらに来年以降のフェスティバルを利用してブラジル側展示の準備ができるなどの利点を挙げ、出席県人会の協力を求めた。
会長は、先月リオで開催された日伯二十一世紀協議会の会合でも、〇八年の日伯交流年に向けたブラジル展の開催が議題に上ったことを報告。展示会が実現した場合、日伯両国の政府レベルのものになるとの考えを示した上で、「県連、県人会としては手伝える範囲で協力する形になると思う」と述べた。
出席者からは、企画を百周年祭典協会の記念事業と別に進めることを懸念する意見、県人会への説明不足を指摘する意見が出た。これに対して中沢会長は、同案を祭典協会に提出した上で今後の検討を進める意向を示した。
同展示会の計画ははじまったばかり。資金調達をはじめ両国政府機関、企業や開催地となる日本の自治体との折衝など解決すべき課題は多いが、日本を舞台にしたはじめての記念事業計画として、今後の推移が注目されるところだ。
同案について、日伯二十一世紀協議会メンバーの横田パウロ氏は「ブラジルで日本を紹介する以外に、日系だけでない最近のブラジル社会全体を日本に紹介することも必要」とその意義を認めた上で、実現にあたっては「政府だけでなく民間からの参加が重要になる」とコメントしている。