2005年12月21日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】中銀の発表によると、十一月の経常収支は一七億三七〇〇万ドルの黒字となり、これまでで最良の決算となった。これにより過去十二カ月連続の黒字となり、今年一月から十一月までで一三七億一一〇〇万ドル(GDP=国内総生産の一・八八%相当)の黒字、また過去十二カ月間では一四九億一八〇〇万ドル(GDPの一・九二%相当)の黒字を計上、いずれも史上最高となった。
中銀筋では十二月も横ばいで推移し、同じく一七億ドルの黒字になるとみており、これにより今年は一五四億ドルの黒字で終止すると予測している。
十一月の原動力となったのは相変わらずの輸出の好調による貿易収支黒字四〇億九〇〇〇万ドルで、金利支払九億八四〇〇万ドルおよび利益送金七億二一〇〇万ドルなどサービス部門の二六億六三〇〇万ドル赤字をカバーして黒字決算に導いた。
海外向け金利支払は今年一二四億八四〇〇万ドルとなり、昨年同期の一二二億七七〇〇万ドルをやや上回った。利益送金は一〇四億三九〇〇万ドルで、昨年の六四億三二〇〇万ドルより大幅に増加した。これは企業利益が増加したのと、ドル安の影響による。
いっぽうでブラジルの対外債務は九月の時点で一八三一億五一〇〇万ドルとなり、一九九六年十二月以来九年ぶりに低い水準に達した。これにより年内は一六〇〇億ドルまでに下がるとみられている。
この減少はIMFの融資に対する前倒しの返済によるもので、年内に一五四億六〇〇〇万ドルの支払を予定している。六月の時点で債務は一九一三億ドルだったが、IMFへの第一回支払の五〇億ドル、満期の国債(二五億ドルのボーナス債)、民間企業の二七億ドルに上る利益送金が相次いで身軽となった。この債務に対し、中銀はこれまでに一七四億五四〇〇万ドルの外貨準備金を購入しており(昨年同期は一六〇億四六〇〇万ドル)いつでも支払に応じる体制を取っている。