2005年12月21日(水)
ミナス・ジェライス州アラグアリ市のポマル精肉処理場は二〇〇五年、馬肉四八〇〇トンを輸出した。月平均四〇〇トンだが、屠殺用の馬探しに苦労している。市場はほとんどがフランスやベルギーなどのEUで、一部は日本へ行く。馬肉を求める輸入業者は多く、市場はまだ大きくなる見込み。輸出は一〇%が空輸、残り九〇%は冷凍肉で船積みされる。馬肉はヒレ肉、ロース、もも肉とカットし、残部はハムやソーセージ、くん製になる。牛肉に比較して、筋があるが柔らかく、馬肉愛好家が食する。ブラジルでは馬肉専門の処理場が六カ所ある。最大はパラナ州。世界の馬肉生産で見ると、ブラジルは中国、メキシコに次いで第三位。頭数は五九〇万頭飼育されている。
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野生動物の飼育が、愛好者の増加で注目されている。主な動物はダチョウやワニ、カピヴァラ、カテト、パカ、クチア、雉、猪など。野生動物の生体屠体取引や皮革、羽根、その他副産物が年商三〇億レアルのビジネスとなっている。食肉用だけで一二億レアル。環境院統計外のヤミ取引が年間二〇億レアルもある。最も取引が多いのはダチョウと猪で、種親や生肉の売買市場も完備している。市近郊ならダチョウ、地方なら猪が向いている。
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ニューヨークの大手証券会社が原油一〇五ドル説を打ち出し、やがてガソリン販売禁止の可能性到来がささやかれている現在、アルコールへの期待が益々高まっている。バイオディーゼルが掛け声だけで中々軌道に乗らないため、既に実績のあるアルコールへ関心が戻りつつある。さとうきび栽培は年々一三・二%の割合で拡大し、五年で倍々ゲームの勢いである。世界の消費水準でバイオ燃料は一・七%しか占めていないが、ブラジルは二三%に至った。エタノールは近い未来、先物市場でエネルギー・コモディティとして迎えられる見込みだ。五十年後にはバイオ燃料が持続可能な代替燃料として市民権を得ると予想される。