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カントリーリスク大きく低下=過去最低の302ポイント=インフレ抑制、輸出堅調受け

2005年12月23日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】ブラジルのカントリーリスクが二十一日、三・八二%の下げを見せ三〇二ポイントになったことで、史上最低の水準へと低下した。これにより三〇〇ポイントの大台を打ち破るのは時間の問題となり、関係者の間に安堵感が流れている。
 政府予想ではこの達成は二〇〇六年になってからとしていた。カントリーリスクはその名の通り、その国の政治経済の危険度を示すもので、とくに外国投資家のバロメーターになる。中でも国債や公債はリスクの低い国ほどコスト安で利回りが良く、人気が集中する。
 このリスクは今年に入り一九・六三%の下げとなり、十二月単月のみで一〇・八八%と拍車をかけた。〇二年の大統領選でルーラ政権が誕生した折は、同政権の経済政策が不透明だったことから不安定要素が増えてリスクは二三〇〇ポイントという世界でも類を見ない危険度を示した。これによりドル高を招き、為替相場は一時一ドル四・〇〇レアルとなった。
 その後、少しずつ好転して〇三年には七〇〇ポイント台となり、経済成長が著しかった昨年は四〇〇ポイント台を維持した。今年に入り四〇〇ポイント台を上下していたのが、十一月に入り一気に三〇二ポイントとなった。
 金融筋はこの原因をしてインフレ抑制が政府目標の射程距離に入ったこともあるが、最大の要素は経常黒字、とくに輸出の堅調を挙げている。このため来年の予想を二五〇ポイントと上方修正する動きも出ている。
 しかしいっぽうで、他の開発途上国と比べるとブラジルは完璧でないと指摘されている。例えばメキシコは一二一ポイント、トルコは二一五ポイント、ロシアは一一三ポイントと、ブラジルは遅れをとっている。ただし実質金利が世界でもダントツなことが投資家の魅力となっている。現在世界で投資金がダブついている状態で、開発途上国が投資の対象として注目されている。
 ブラジルが真の優良投資国になるには、財政支出の削減が絶対条件だと指摘する向きもある。ブラジルの対外債務は国内総生産(GDP)比五三%に上るが、これを優良国平均の二八%に引き下げる必要があるという。