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軍政期の機密資料公開へ=個人情報開示には制限も

2005年12月23日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】ロウセフ官房長官は二十一日、軍政期を含む一九六四年から九〇年までの機密文書をブラジル情報庁(Abin)からブラジリアの国立公文書館に移し、一般公開すると発表した。
 公開される機密文書は、一、国家情報局(SNI)保有の軍、連警、公安局の書類やマイクロフィルム一〇〇万枚。二、国家安全審議会保有の政治追放関係書類九〇メートル分(三百十一箱)。三、調査総合委員会保有の不正蓄財関係書類二六五メートル(九四八箱)。すべてコピーがリオ国立公文書館に保管される。
 約二週間以内に閲覧可能となるが、憲法で個人情報の保護が保障されており、実際に個人データの公開は本人の許可が必要となる。
 「機密文書の公開で一つの軌跡が完成する。それは民主主義の価値を学ぶ教材となる。現在は民主政治が行われているが、歴史を消し去ってはならない」と、軍政時代にゲリラグループのメンバーとして拘束され、拷問を受けた経験がある官房長官は涙ぐみながら述べた。
 今回の公開で、反政府活動で弾圧、殺害されたアラグアイア・ゲリラの遺体の行方などが判明するか注目されている。